直葬とは? 事前に知っておきたい費用、流れ、メリット・デメリット

最近は、葬儀の小型化・簡素化が進んでいますが、その中でも、儀式を省いて火葬のみを行う「直葬(ちょくそう)」を選ぶ人が増えています。首都圏のある葬儀社のデータでは、2017年に自社が施工した葬儀の5件に1件が直葬だったそうです。

直葬はシンプルな見送り方ですが、事前にどういう内容なのかを知っておかないと、後でトラブルになるケースもあるため注意が必要です。ここでは、直葬の流れや費用、メリット・デメリットについてお伝えします。

直葬とは

直葬? 初めて耳にする人もいるかもしれません。かくいう私も昨年父の死後、葬式についていろいろ調べる中で知ったことばです。

直葬とは、一般的な葬儀で行われる通夜や告別式などの儀式を行わずに、火葬のみを行う見送り方です。「火葬式」とも呼ばれます。

ごく親しい人のみが立ち会い少人数で行われるのが一般的です。宗教儀式を省略するので本来は僧侶は呼ばないのですが、手配して読経をお願いすることもできるようです。

直葬は、以前は身寄りのない人の福祉的なサービスや、経済的な理由で行われることがほとんどでしたが、現在は直葬を選択する理由も多様化しています。

高齢化に伴い、故人が高齢で亡くなると、地域社会とのつながりがほとんどなくなっているため葬儀に呼べる人も限られることから、直葬を選択するケースが多くなっています。

また、無宗教なのに葬儀のときだけ仏式の儀式をやることに違和感を覚える、死後の世界なんて信じないから儀式は不要という、死生観や価値観の違いから、直葬で十分と考える人もいます。

直葬を批判する声もありますが、経済的な理由以外であっても、葬儀に価値を見いだせない故人や遺族の意思なのであれば、火葬だけの見送りは意義があるし、尊重すべきではないでしょうか。

直葬の流れ

直葬は、臨終→安置→火葬の順に進められます。

直葬の「直」の字から、病院や自宅で死亡後、直接火葬場に遺体を運んで火葬することをイメージするかもしれませんが、遺体は死後24時間は火葬ができないため、直葬でも遺体の安置が必要です。安置する場所は、自宅、葬儀社の安置施設、安置室併設の斎場などになります。

安置後、遺体を火葬場に搬送し、火葬します。

直葬の費用相場

直葬の費用の相場は20万円前後です。葬儀費用の全国平均は約200万円2017年 日本消費者協会「葬儀についてのアンケート調査」)なので、費用負担は大幅に減ります。

直葬に必要な費用は、
・遺体を運ぶ車両代(死亡場所から安置所・安置所から火葬場)
・安置施設使用料(自宅以外の場合)
・ドライアイス
・棺代・骨壺・手向けのお花等
・火葬代
などです。

僧侶に読経をお願いする場合は、別途お布施や焼香などの寺院費用がかかります。

現在は、ほとんどの葬儀社が「火葬式」に対応しています。

費用を重視するなら、格安の定額葬儀サービス大手「小さなお葬式」や「よりそうのお葬式」がおすすめです。僧侶を呼ばないのであれば、15万円以下で直葬が可能です。この2社は、僧侶手配も低価格かつ定額(55,000円)なのでさらに費用がおさえられます。

ネット上には、10万円以下で直葬を宣伝している業者もありますが、何が含まれているのかをよく確認しないと、追加料金が発生するので注意が必要です。

直葬するならメリット・デメリットを考える

直葬のメリット

  • 葬儀費用をおさえられる
    通夜や告別式を行わないため、葬儀費用が格段に安くなるので、経済的負担が大幅に減ります。
  • 遺族の精神的・体力的負担が軽減される
    一般的な葬儀は、臨終から火葬まで最低でも3~4日かかります。その間、喪主や遺族はさまざまな対応に追われ、故人との別れを惜しんでいる暇などないのが実情です。直葬は、火葬のみなので所要時間が短いうえ、大勢の参列者への対応が必要ないため、遺族は心身ともに負担が少なくなります。

直葬のデメリット

直葬にはメリットがある一方で、トラブルになる要素もあります。

  • 親族の理解が得られない
    直葬は通常の葬儀とはかけ離れた見送り方のため、親族の理解が得られずに反感を買う可能性があります。後でトラブルにならないように、事前に直葬を行う理由を伝え、理解を得ておきましょう。
  • 直葬後に弔問客の対応に追われることも
    直葬は基本的に近親者のみで行うため、火葬後に自宅に弔問客が来て対応に追われる可能性があります。
  • 菩提寺に納骨できない可能性がある
    お寺の檀家になっている場合、お寺に相談せずに直葬を行ってしまうと、49日法要ができなかったり、納骨させてもらえないことがあるようです(こんなトラブルも)。お寺との関係を悪化させないよう、事前にお寺に事情を話しておきましょう。
  • 葬儀をしなかったことに後悔することも
    火葬のみで簡単にやってしまった結果、後になってもっと故人と別れを惜しむ時間が欲しかったと後悔する人も多いようです。

デメリットを認識しておかないと、シンプルなはずの直葬がトラブルや後悔につながる可能性があります。直葬を選択する場合は、メリット・デメリットを十分考慮する必要がありますね。